忘れじの横浜港

再び横浜港に話題を移します。

社会見学当日に撮られた 横浜港の桟橋です。

創立当初の社会見学は、横浜港と横浜中華街へ電車で出かけました。
保護者同伴とはいえ、遠距離であることから苦労もあったようです。
当時は、遠足と言えば動物園 ( 上野 ) に出かける幼稚園が多かったとのことです。

この社会見学は、東京国際空港 ( 羽田 )、 新東京国際空港 ( 成田 ) と目的地を変えながら、現在の新東京国際空港 ( 成田 ) に定着して40年以上になります。

社会見学実施には、いずれも海外に目を向け、国際社会で活躍する人材に育って欲しいという願いが込められているのです。

横浜港社会見学は、飯沼 誠先生が27歳の時の実体験をもとに計画されたものでした。

回想 ( 直接取材 )
当時 大学院にいた飯沼先生は人生最大の決断をします。
それは、カナダ留学でした。
横浜港から 大型客船に乗り出発。
目的地は、カナダのバンクーバーで、片道14日間の長旅でした。
筆者の推測ですが、時は1967年ごろだと思われます。

1年半もの長期間の滞在中には、
アメリカ社会の象徴的存在でもあるグレイハウンドバス に乗り、 広い北米大陸を旅しました。

主要な都市を挙げれば、
バンクーバーを下り ( 南下 ) 、サンフランシスコ ~ ロサンゼルス ~ 、東へ向かうと シカゴなどを訪れたと聞きます。

長い船旅やグレイハウンドの長距離バスで移動する苦労は、ちょっと想像しがたいところもあるでしょう。

また、14日間の船旅は、人との出会い、そして交流の場でもありました。
様々な国の乗客がそれぞれの目的で乗船している。
まさに国際交流の場、国際社会の縮図とも言える場所でした。

船の上で有意義な体験をした飯沼先生は、若い人に是非このような船旅を勧めたいと言います。
実際、船上で出会ったマオリ族 ( NZ先住民族 ) のご夫婦の印象が強かったのでしょうか。
のちに、八柱学園は ニュージーランドのオークランド教育大学との交流を長年に渡り 続けました。

この体験で得た感動を、少しでも子供たちに伝えていきたい。
それが、横浜港社会見学を実施するきっかけとなったのでした。

参考 :
グレイハウンドバス は、創業100年以上のアメリカ最大のバス会社です。
バスのロゴマークには、グレイハウンド種の犬の絵が使用されていますが、これは ドッグレースで最も速い犬グレイハウンドを社名とロゴに採用した という理由があるからです。

また、洋楽に興味のある方は、1968年の 「 アメリカ ( サイモンとガーファンクル ) 」 、 1976年の 「 ニューヨークの想い  ( ビリー・ジョエル ) 」 の歌詞の中にも グレイハウンドバスの事が出てきますので、 ぜひ一度聴いてみてください!

人は、この長距離バスに乗りながら、人生とは何かを考え、自分自身を見つめてきたのです。
その想いが、上の歌に とてもよく表れています。

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